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​天高く(青松書院・電子版はグループ・ゼロ)

(内容)

誇り高い水戸藩士が町の花火師の下に修行に行って、プライドを傷つけられながらも、町人と切磋琢磨する過程の中で、人として本当に大切なものを学んでいく。

(以下アマゾンレビューから引用・ありがとうございます)

幕末。主人公の式輔は、水戸徳川家の鉄砲方同心。藩の大砲作りのためという名目で、ひと月の間に花火打ち揚げの技術を習得するか、最新の花火玉を盗み出せと命令されます。
命令した重明には、ある企みがありました。
式輔に、花火作りの技術指導をするのは、「玉屋」の面々。人間味のある温かい人たちが魅力でした。
式輔は花火作りにのめり込みますが、やがて花火玉を持ち出して、水戸に戻る日がやってきます。
次第に明らかになる「重明の思惑」は何であったか……が読みどころ。
蘊蓄満載の本で、幕末の歴史の一端が楽しめました。

(裏話)

小学館の今はなき「きらら文学賞」の最終候補に残った作品です。いわば処女作というべきものですが、青田買いのように出版いただいた版元さんには非常に感謝しております。

プロ作家の作品としては、正直言って厳しい部分がありますが、「慶応三年の水練侍」と併せて読んで頂くと、セミプロ(新人賞最終候補止まりの人)とプロの違いがよく分かると思います。

amazon kindle unlimted​ で無料でお読みいただけます。

(「天高く 木村」で検索してください)

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​ぼくせん 幕末相撲異聞​(朝日新聞出版社)

(内容)

楽しさの中に感動がぎっしり詰まった快作(縄田一男様)

張り手10発分の衝撃!(丸善御茶ノ水店様)

時代小説とスポーツ小説の異種格闘技戦は、かくて一級の娯楽小説を生んだ(週刊文春様)

藩と藩の意地の張り合いに巻き込まれ、角界を追放された三峰山岩蔵は、さまざまな仲間に出会ううちに、力士時代には見つけられなかったものを見つけ出す。

何のために戦うのか。

心に傷を負った人でも、いつかは立ち直れる。

そんなこともテーマのひとつになっています。

(裏話)

​水練侍が市川清之助という個人の成長物語になっていたため、今回は登場人物を多くして賑やかに行こうと思って書いた作品です。また、水練侍には悪人がほとんどでてこないので、今回は意識して悪役を配置してみました。あと、史実としては幕末に異種格闘技戦があったのは事実です。しかしながら、土俵を用いて相撲のルールで試合をするのですから、相撲の圧勝でした。

​慶応三年の水練侍
(朝日新聞出版社)

(内容) 

朝日時代小説大賞受賞作でプロ1作目の作品です。                           幕末の津・藤堂家。よく言えば平和主義、悪くいえば日和見の津藩では諸藩のような勤王派と佐幕派の争いは起こっていなかったが、ひとりの若者・谷口善幸が江戸から帰郷したことにによって大きな波紋が立った。矢表に立たされたのは、砲術師範・市川清之助。行き掛かり上、清之助は善幸と水術で勝負する羽目に。だが、清之助は水を怖がるほどの水術下手。

​その清之助が頼ったのは、なんと伊賀者であった・・・・・・。

​幕末には正義はない、というのがひとつのテーマとなっています。

(裏話)

大賞受賞時のタイトルは「堀に吹く風」でした。実は、応募時は「約束の地」というベタなタイトルでした。さらに、出版が決まった際に、編集の方たちともお話をしてこのタイトルになりました。自分としては、「慶応三年のドルフィン」というようなタイトルを提案したのですが、大江健三郎氏の「万延元年のフットボール」と類似するとして不採用になったのです。タイトルの付け方は本当に難しいと思います。

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十返舎一九あすなろ道中事件帖

~悪女のゆめ(双葉文庫)

(内容)

主人公は、若き(といって28歳ですが)の十返舎一九(重田貞一)。戯作者になるために、上方から江戸に出てきたまではいいのですが、何者にもなれず悶々とした日々を過ごしています。そんな貞一が思わぬ事件に巻き込まれていきます。おまけに昔の因縁で命を狙う者まで現れます。

一方、極悪人のような顔をした岩徳と養女のお峰、あるいは蔦屋重三郎といった人の援助を受けながら、段々と自分の生きる道を築いていきます。

(裏話)

初の書下ろし時代小説です。

物書きになろうとあがいている貞一は、まさに著者である自分自身のように思って書きました。

貞一の時代、物書きだけで暮していた者はおらず、他に何か職業を持っていました。ところが、貞一は物書き一本で暮していこうと考えていたので大変です。

志はあっても、日々の暮らしは続けていかなくてはならない。現実と理想のはざまで悩むのは、現代の作家志望の人にも共通しているするのではないでしょうか。

amazon kindle unlimted​ で無料でお読みいただけます。

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十返舎一九あすなろ道中事件帖

~銀色の猫(双葉文庫)

((内容)

やっと息が合ってきた貞一と岩徳のところに奇妙な依頼が舞い込できます。商家のマスコット的存在だった猫がいなくなったので探してほしいとの依頼です。ぶつぶつと文句を言いながら捜す貞一たちでしたが、猫の足取りはまったく掴めません。口入屋から紹介させるような仕事をしている貞一たちは、奉行所内からも非難する者が現れ、四面楚歌になっていきます。そんな中、岩徳は放下師あがりの凶賊・銀二の姿を目にします。

(裏話)

最初にこの仕事をお受けしたとき頭の中にあったのはテレビの「水戸黄門」です。8時45分くらいにクライマックスが来るようなイメージがあったのです。2作目は「大岡越前」までプラスされたので、展開が遅くなってしまった感は否めません。早い展開がお好きな方は、どうか緩い流れにお付き合いください。

山本祥子さんの表紙がとても可愛らしいできになっています。

amazon kindle unlimted​ で無料でお読みいただけます。

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十返舎一九あすなろ道中事件帖

~新月の夜(双葉文庫)

 

(内容)

新月の夜とは三日月の前のほとんど月明かりのない暗い夜です。近くにいても人の心の中は、一寸先は闇といった新月の夜と同じようなものだ、という意味をタイトルに込めました。実はかなり以前からこのテーマは考えていたのですが、やっと文字に表すことができました。このシリーズは三部作で、この巻をもって終了ですが、戯作者としての一九の旅は始まったばかりです。あとは、読者の方の心の中で、一九が大きく育ってくれることを祈っております。

(裏話)

江戸時代は、自殺するにもバリエーション(?)が少なく、死ぬにも苦労したのではないでしょうか。やむを得ず、自死を決意した人に対し、幇助した人に対する咎めはどのようなものだったのか、と考えたのが、書き始めでした。「江戸時代には、明るい諦観が漂っていた」と言ったのは杉浦日向子さんですが、重い病に罹ったら、死ぬしかないと考える人が多かったという厳しい現実があったのも事実です。

amazon kindle unlimted​ で無料でお読みいただけます。

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​虹かかる(祥伝社文庫)

(内容)

​若気の至りで水戸家を飛び出した飛田忠矢は、浪人暮らしの極貧の中、妻の秋絵を病で死なせてしまう。失意の忠矢は秋江の遺言で久しぶりに故郷の水戸に向かう途中の潮来で麻生藩士の奇妙な依頼を受ける。麻生新庄家の山本槍三は筋骨隆々としたいかにも傑物然とした武士であるが、忠矢を本物の水戸藩士と勘違いしてしまったのである。槍三は老中・田沼意次の下で権力を振るっている鳥居耀三と麻生藩主新庄直計の間で起きている紛争の仲介をしてほしいとの要望を口にする。潮来には耀三の息の掛かった浪人くずれが多数集結し、よからぬことを企んでいるようだというのである。見栄から水戸藩士であることを即座に否定しなかった忠矢は段々、のっぴきならないところまで追い込まれてしまう。そんな折、忠矢は昔の知り合いが手妻の口上師になっている姿を目にする。潮来に集結した浪人たちは百姓をそそのかして、一揆を企んでいるらしい。その数、400人。忠矢は仲間を集めるが7人にすぎない。この7人で、400人を迎え撃つことになった。

​(裏話)

タイトルは藤沢周平さんっぽくなっていますが、内容は「七人の侍」にヒントを得たエンタメになっています。

もとは「こんちころ」という手妻の演目をタイトルにしようと思っていましたが、編集部の方との打ち合わせで「虹かかる」になりました。7人で400人を迎え撃つ材料は手妻と花火と剣術です。現代風にいえば、演出で相手の出鼻をくじくというものです。アクションシーンにはかなり力を入れたつもりです。痛快時代小説という名に恥じない作品が仕上がったと思っています。スカッとしたい方にはぜひおすすめしたい作品です。

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